先月、東京ビッグサイトで開催されたTCT Japan という国内最大級3Dプリンティング・AM (アディティブ・マニュファクチャリング) 技術の総合展のカンファレンスで講演する貴重な機会をいただきました。ボーイング社・副社長、本田技術研究所、三菱重工総合研究所等の第一線でご活躍されている異業種の方々と一緒に登壇できましたことは、とても良い経験となりました。矯正歯科分野における3Dメタルプリンティング技術の臨床応用、特に当院が考案・特許取得し、株式会社アソインターナショナルと共同開発した矯正装置であるSHU-lider(シューライダー)装置についてお話をさせていただきました。
以下、講演の抄録内容を記載いたします。
【講演概要】
3Dプリンティングは、CADソフトにより複雑な立体構造を作製し、設計の効率的な修正が容易で目的に合わせた造形物をカスタマイズできることを特長とする。カスタマイズやオーダーメイドのニーズの高い医療分野は親和性が高く、特に歯科分野で普及が進んでいるといわれている。矯正歯科において、診断用模型、セットアップ(治療予測)模型、ブラケット(歯にワイヤーを固定する)装置の間接的接着用コア、アライナー等の樹脂系材料を使用した3Dプリンティング技工物が作製、臨床応用されている。近年、3Dメタルプリンティング技術を応用し、適合と強度の優れ、カスタマイズした様々な矯正装置を作製することが可能である。3Dメタルプリンティング技術と新しいデザインと機能のアイデアを融合した次世代型の3Dメタルプリント矯正装置を日本で考案し、株式会社アソインターナショナルと共同開発したので本装置の開発経緯、特長、臨床応用について紹介する。